伊織ちゃんの事を探していると
廊下の角で誰かとぶつかる。

ードタッ

あの日は咄嗟に立ち上がり
俺の事を無視したくせに
伊織ちゃんはその場から
立ち上がる事さえしなかった。

俺は伊織ちゃんを手を
そっと引き立ち上がらせる。
伊織ちゃんは突っ立ったまま
その場から動かなかった。