人と付き合う事よりも
人と別れる事の方が何倍も
難しい事なのだと思い知る。

ありのままの気持ちを伝えたせいで
俺は木崎を傷付けた。

もう少し傷を軽くする方法は
なかったのかと今更になって
後悔していた。

奏「何度見ても泣ける
映画の定番って知ってる?」

京夜「は?」

俺の後悔なんて知らない
阿久津がまた呑気に
訳の分からない話を始めた。

奏「動物が出てくる映画。
小さな子供が頑張る映画。
余命幾ばくもない人が必死に生きる映画。
大概、パターンは決まってる。
何にだってパターンがあるんだ。」

阿久津はお構いなしに話を続け
俺の隣に腰かける。