守られていたのは
いつも俺の方だったのに
俺は自分が守っているんだと
勘違いしていた。

真っ白な伊織が目の前にいる。
俺を守ってくれる伊織がここにいる。

言ってしまいたかった。

伊織の事が好きだ。

出かかった言葉を飲み込み
俺は咄嗟に空を見上げた。
そうでもしないと涙が
溢れ落ちてしまいそうだったから。