奏「何で‥?辛いのは
伊織ちゃんの方なのに
どうして笑ってるの?」

伊織「私は懐中電灯を持ってない。
でも、暗闇の中に自分も
紛れ混んじゃったら自分がどこに
いるのか分からなくなっちゃうよ。
だったらさ、自分自身で
照らし続ければいいんだよ。」

今度は阿久津くんが涙を流した。

今日は何だか色んな人の
初めての涙ばかり見る。

伊織「どうしたの?」

奏「‥これは嬉し涙だよ。
初めてなんだ。こんなにも
大切にしたいと思える人と
出会えたのは。」

愛おしくて大好きだなって
私は阿久津くんの事を抱き締めた。