伊織ちゃんは文句を言いながらも 今にも泣き出しそうな顔をしていた。 昨日、見ず知らずの俺に向かって あんな風に怒ったくせに 今日だって、ぶつかった俺の事を 無視したくせにそんな悲しげな 表情をしながら佇んでいた。 どうしてそんな事を 口走ったのかは分からない。 付き合おうだなんて。 そんな事を俺が言うなんて 自分自身、信じられない。