奏「伊織ちゃんの事を知っているから。
伊織ちゃんを思っての悩みだから。
俺は何も知らないから
九条くんよりも先に伊織ちゃんの事を
見つけられなかった事が悔しい。
真っ先に感じた気持ちは自分の事だった。」

涼介「そっか。」

奏「やっぱり、時間に
勝るものはないんだと思う。
でも、一生懸命に探してくれた。
その事実は胸に残るよ。
汗かきながら探してくれた
加々美くんの姿は
伊織ちゃんの胸にも残ると思う。」

加々美くんはもう一度
小さく笑った。