何でもないような顔をして。 こっちの気持ちなんて お構い無しに笑顔を押し付ける。 だから、今、伊織が 言うべき言葉は1つのはずなのに 伊織はじっと黙り景色を眺めていた。 茜色に染められた伊織を見た。 ああ、そうなんだ。 ようやく分かったよ。 伊織を染めていたのは俺なんだ。