その頃の伊織ちゃんの事は
知らないけど、その姿を
想像する事は簡単だった。

だからこそ彼が嘘偽りなく
俺に本当に感じた事を
伝えてくれてるんだって
信用も出来た。

涼介「‥京夜に彼女が出来たって
聞いて信じられなかったのは俺も同じ。
いおが悲しんでた事も知ってる。
でも、俺は何にも出来ない事も
ちゃんと知ってるから、君が
いおのそばにいてくれて
よかったって思ってる。」

伊織ちゃんの周りにいる人は
本当に綺麗で素直で
分かりやすい人達ばかりだった。

奏「‥‥あのさ。
加々美くんって
呼んでもいいかな?」

涼介「ああ。だったらこっちも。
これからもいおの事
よろしくお願いします。
‥阿久津くん。」

加々美くんが俺に向けた
その言葉をそっくりそのまま
返してあげたかった。