奏「だけど、そんな
ちっぽけな俺たちの世界は
沢山の集合体で出来てるんだよ。」

伊織「集合体?」

奏「例えば、あの赤い屋根の家。
あそこには父親と母親と息子の
3人家族が住んでいる。
ごく平凡な順風満帆な家庭だった。
だけど、息子が高校生になると
その平凡な生活は壊された。
息子の反抗期に悩む両親。
素直になれない事に苦しむ息子。
この灯りの分だけ悩みがある。」

伊織「だったら、あの
青い屋根のお家はきっと幸せだね。
お父さんとお母さんと
お兄ちゃんと妹。
毎日、4人で食卓を囲んで
他愛もない話をして笑顔が絶えないね。」