目の前に広がる光景は
同じなのに俺の目に映る景色と
伊織ちゃんの目に映る景色は
全くの別物だった。

だから、どうしてもこの景色を
伊織ちゃんに見せてあげたかった。

知っていたから。

俺の目に映るこの薄汚れた
景色でさえも伊織ちゃんは
綺麗だと言う事を知っていたから。

感じ方も考え方も何もかもが違う。
理解出来ない事ばかりで嫌になる。

だけど、きっと伊織ちゃんは
そんな事すら感じない。