伊織「‥阿久津くんって
実はすごく優しいよね。」

言葉と表情が真逆のように思えた。
あるいは、これはきっと
褒め言葉ではないのだろう。

奏「伊織ちゃんの
考えてる事が分からない。」

伊織「私も阿久津くんの事が分からない。
だって、阿久津くんは肝心な事は
何も言ってくれない。答えを
知っているのに教えてくれない。」

奏「ズルいからね、俺は。
ずっと小賢しく生きてきたから。」