声を荒げる俺を見て
伊織ちゃんは本当に
悲しそうな顔をした。

傷付けてしまった。そう思った。

伊織「私はいつも暗闇を歩いてる。
真っ暗で先が何も見えなくて
どうしようもなく不安になる。
明かりを灯したい。でも私は
懐中電灯を持っていないの。」

時々、伊織ちゃんの事が
分からなくなる。

前向きなのか後ろ向きなのか
無理をしているのかそうじゃないのか
誰かに操られているのか
自らの意思で動いているのか
よく分からなくなる。