伊織「でも、いい気はしないと思う。
自分の自転車が倒されてたら
あなただって嫌でしょ?」

奏「別に。どうでもいい。
そんなに気になるなら君が直せば?」

伊織「直すよ。でも、あなたも
一緒に直さなきゃ意味がない。」

同じ言葉を話しているはずなのに
彼女には俺の言葉の意味が
まるで伝わらなかった。

奏「もう一度だけ言うよ。
倒れた自転車を直す義理はない。
そう思うから俺は直さない。
悪いけど、急いでるから。」