部員「じゃあ、次パス練!」

扉の合間から見える
体育館で汗を流すバスケ部員の姿。
その光景を見たくなくて
俺は足早に通り過ぎる。

目の前から歩いてくる伊織。
伊織に会うのは随分
久しぶりのように感じる。

あの日、伊織の家に泊まって以来
伊織に会う機会は格段に減った。

俺が会いたくなかったのか
伊織が避けているのか
分からないけどいつも付きまとっていた
伊織は俺のそばからいなくなった。