阿久津くんはそれっきり
何にも話してはくれなかった。

伊織「‥あの、ここで大丈夫。」

奏「そう。じゃあ気をつけて。」

阿久津くんはいつも
私が歩き始めるのを待ってくれる。

家に向かっていると
橋の上で黄昏る京夜の姿を見つける。

普段なら、迷わず話しかけるのに
木崎さんから私のした事を聞いて
京夜が怒ってるんじゃないかと
思うと話しかけられなくて
私はその横を通り過ぎた。