前を歩く京夜と地味メガネは
やっぱりちゃんと恋人同士に見えて
目の当たりにするたびに
ヘコみそうになる気持ちは
阿久津くんが手を握ってくれてる
おかげで少しだけ軽くなった。

奏「伊織ちゃん。」

伊織「ん?」

奏「それまでは楽しみなよ。」

伊織「え?」

奏「俺に任せれば大丈夫だから。
せっかく水族館に来たんだしさ
俺たちも楽しもうよ!」

伊織「うん。」

本当にほんの少しなんだけど
阿久津くんの言葉に
胸がきゅんとした。

京夜以外の男は皆じゃがいも。
ずっとそう思ってたけど
もしかしたら阿久津くんだけは
違うのかもしれないと思った。