涼介「お前の言うパラレルワールドが
存在するとして、向こうの世界の
俺とお前と伊織が幸せな日常を
送ってるとして、でもそうなると
お前がゴミだと言った
この世界に生きる俺や伊織はどうなる?
お前は俺たちの事もゴミだって言うのか?」

京夜「違うよ。そうじゃない。
涼介には涼介の伊織には伊織の
別の世界が存在するから。
例えば向こうの世界の涼介は
俺と友達じゃないかもしれない。
都会の大きな自動車メーカーに
就職して毎日一生懸命に働いて
いるかもしれない。
涼介の世界には伊織や俺は
存在しないかもしれない。
物語は一つじゃないんだ。」

熱弁する俺とは違い冷静な涼介は
やっぱり首を傾げた。

ごく自然な事だと思う。
俺の考えが正しいとは思わないから。

涼介「それはそれで悲しいだろ。
俺はお前がゴミだと言った
今のお前と友達な訳で
そんなお前だからこそ
一緒にいたいと思った。
俺が親友だと思ってる奴は
この世界にいるお前なんだ。」

だけど、涼介は温かい。
理解なんて範疇を超え
全てを受け入れ、俺のこの
歪んだ世界を少しだけ正してくれる。