素直じゃない私の王子様









部活終わり、昇降口で颯太と待ち合わせしていた。

私は、吹奏楽部。颯太はバスケ部、咲くんも同じだ。


いつもは同じ部活動に所属している凛と帰るけど今日は特別。


待つこと数分、見慣れた色素の薄い茶色がかった髪を持つ男子生徒が姿を現した。



「お待たせ、奈子」



スポーツバッグを背負って、運動直後でまだ暑いのかシャツを腕まくりして片手にブレザーを持っている颯太はちょっとカッコよく見える。


颯太がカッコよく見えるなんて変に意識しているからかもしれない。



私は平静を装って颯太に声をかけた。



「遅いよ、颯太。ちゃっちゃと帰ろう」



いつもの調子で軽口叩いて歩きだす。


おう、と言って颯太も私の隣を歩き始めた。



大丈夫だ、偽りのカップルとはいえ今まで通りの私たちと何も変わらない。



そう思って他愛ない話しながら住宅街を歩いていると、ふと颯太が立ち止まった。