やだ……こんな咲くんは知らない。
身体中が痺れた感覚になり、本能が警告している。
――――――今の咲くんは危険だと
慌てて咲くんから離れようと身体をのけ反らせてみたがビクともしない。
「逃げるの?君の方から僕に近づいてきたくせに」
「咲くん……なんか変だよ」
「そうかな、奈子は僕とずっと仲良くしたいって言ったじゃないか」
楽しそうに声を揺らして私を追い詰める、この美しい男の人は誰……?
「ねえ、奈子」
そう聞こえると同時に私の両頬がふわりと包まれる。
「――――――っんん」
そしてもともと近すぎた私たちの距離は外灯の下で重なった。
咲くんが私にキスをしたのだ。
