素直じゃない私の王子様






私は俯いた。

だって顔を上げたら真正面に、すぐ近くに咲くんがいる。

咲くんの表情を見ることが出来なかった。


しばらくして、咲くんがポツリと呟いた。




「……ねえ、奈子。どういうつもりでこんなことしているの?」



「わっわかんない……」


けど、


「……私は、ただ咲くんとずっと仲良くしていたくて」



無邪気に遊んでいた、あの頃みたいに


お隣さん同士、幼馴染として


私は咲くんとずっと一緒にいたいんだ。




「ずっと仲良く、ね」


けど、咲くんと私の間には温度差があるように感じた。


それは彼の声がいつもよりずっと冷たく感じたからだろう。




「咲くん……?」


「ねえ、奈子、鈍感な奈子に教えてあげるよ」



「え……」



あやす様にゆっくりと言葉を紡ぐその声に


私はそっと顔を上げた。



ゾクリと背筋か粟立つ。


咲くんの瞳は冷たい声とは相反して、どこか熱を含んでいるように見えたから。