「1点目は犯行に使った凶器について。」


『・・・。』


「君はあの日、林ダイスケを殺そうと思って部屋を訪れた。
これは間違いないですね?」


『間違いありません。
殺意を持って彼の部屋を尋ねました。』


「そして君が凶器に使ったのは、
林の家のキッチンにあった包丁・・。

殺意を持っていたにも関わらず凶器は事前に用意して来なかったのか?

“カッとなって殺した”んだったらその場にある物を使うのは分かるんだけど、

珍しいケースだから気になった。

“林がトイレに立った隙に包丁を取って”
って君は供述したけど、

もしそんな隙すら無かったら、
君は素手で林と相対しようとしていたの?」



『・・・心配症なんです・・僕は・・。』


「心配症?」


『もし凶器を持って彼の部屋へ行くまでに警察官に職務質問されたらどうしよう・・
って考えたら、

危ない物を持ち歩くのは危険だと思いました。

だったら彼の部屋にある物を使おうと・・・・。

真田さんが仰るとおり、
もし包丁を取りに行く隙が無かったら、
首を絞めて殺そうと思ってました。』



「・・・心配症の割には大胆ですね。」


『・・喧嘩は僕の方が強いんですよ。
高校の時から。』