ベンチに座ると、私が手帳を取り出す前にBがその口を開いた。


「谷口君の事を調べてるんですよね?」


「はい。今日は谷口の女性・・・。」


「あいつはホント良い奴でしたよ。

自分はみんなの為にって感じのタイプでした。

中学の時なんか、嫌な顔一つしないでずっと学級委員長も続けて・・。」



「・・・?」


「な、なんですか?」


「“嫌な顔一つしないで”って・・・
どういうことですか?
中学の谷口は“マルオ君キャラ”じゃなかったんですか?」


「・・・誰ですかマルオって・・。」


「別の方に取材した時に聞いたんですけど、谷口は中学校時代、いつも学級委員長を務める真面目君だったって・・。」