「鵠〜来てくれたんだね♪」

柊花は嬉しそうに私を手招く。


昼休み私は柊花と約束した通り柊花のクラスに来た。



「あの人とかどう?」



柊花は教室に人集りが出来ている方を指差した。

女の子が何人かいて、
その中心男の子がいた。


「月夜君、今日もかっこいーね〜」

「だろ?知ってる!!」

「あはは、もう!月夜君ってば〜」

「えー間違ってるか?」

「間違ってないね!」



……なにあれ。


中心にいた男の子は背が高くてスタイルがいい。顔もこの学校の男子の中で、一番整っていてかっこいいと思う。

でも。


ピアスをいくつも開けて、髪を金髪に染めてメッシュをいれて、制服もかなりくずしている。

私は自分が真面目なだけあって、真面目で清楚な感じの人の方がタイプだ。


つまり、私の好きなタイプとは反対のアイツはできれば近寄りたくなければ、関わりたくもない。


「どう?十六夜 月夜(いざよい つくよ)君っていってね
入学して一か月くらい海外に行ってたみたいだけど昨日帰ってきたんだよ〜

それからというもの、あのように女子からモテモテなんだよ〜」


「そ、そう…」

とりあえず教室に帰りたい。
アレと関わりたくない。