俺が転校してきたのは小四のとき。
一番最初に話しかけてくれたのが未来だった。

「ねえねえ理久って呼んでいい??」

「え?……ああ」

「私未来!こっちがみい!で、うるさいのが陽平!」

「よろしくね!理久!」

「うるさいゆーな未来!
よろしく!理久!」

一言で言えば賑やか。
楽しそう。そんなイメージだった。
「……よろしく」

それから毎日裏山で遊ぶようになったある日。

「あ!5時のチャイムなったよ!帰ろ!」
みいの一言で帰ることになった。

みいと陽平は同じ方面。俺と未来が同じ方面だった。

「理久!」

「ん?なんだよ」

「理久は、さ、好きな子とかいるの?」

「はっ?」

「い、るんだ、」

「え、」

「私、理久のことすき!ばいばい!」

「え!?未来!?」

それを言ったっきり、
「俺も好きだよ」
って言えなかった。

「ばいばい!」
って言って走っていった未来は交通事故で死んだ。
飲酒運転の車に跳ねられた。

「お、お、お、お、俺のせいだ……」

「理久のせいじゃないよ」

「そうだよ」

「そうよ、理久くんのせいじゃないの。この子が安全確認しなかったからよ。」

「ち、違うっ!俺!俺のせいだ!」

「理久のせいじゃない。大丈夫だから。」

未来への気持ちは消えることはなかった。