__小学校に入学する前の話。

私は生まれつき体が弱くて、元気な姉・未来とは真逆の性格、体だった。

喘息持ちで入退院を繰り返す日々。

未来は小学校にも行けるっていうのに、なんで私だけ?

そう、何度も何度も思っていた。

そんなある時、未来が1人で病院に来た。

「ねぇねぇ!!美穂!」

「なに?」

「あのね!……ふふっ私好きな子できた!」

「へぇー……」

好きな子?あぁ陽平くん?って子かな…

「理久っていうの!」

「理久?」

「そう!最近引っ越してきたんだけど、すっごくいい子なんだよー!」

「そうなんだ……」

正直、未来の学校の話とか聞いてると私も行きたいな…とか自然と考えてしまう。

「だからね、今はね、私とみいと陽平と理久で遊んでるんだ!」

もう、こんな話は聞きたくない…
そう思った時、

「……ねぇ、美穂…
ここにみんな連れてきていい?」

「えっ?」

「妹がいるって言って、病院にみんなでお見舞い来ていい?」

「……っだめっ!!」

「……なん、で?」

「未来と比べられる…」

そう、私が入退院を繰り返しているとき、毎週のように親戚たちが来てくれた。
私的には結構嬉しかったけど、ある時、親戚のおばさんとお母さんが話してるところを偶然見ていた。

「未来ちゃんはあんなに元気なのに、なんで美穂ちゃんはか弱いのかしらねぇ……」

「二人とも生まれてきてくれただけで、私たちは嬉しい限りです…」

「未来ちゃんに美穂ちゃんの元気、取られちゃったんじゃないの?」

「そんなわけないです!
美穂も未来も普通の子です!」

お母さん……
未来と比べられるようじゃ、お母さんが悲しむ……
そんなお母さん、見たくない……

「だから、比べないで…!」

未来はただ立っているだけだった…

その時から未来は病室に来なくなった……