「バイバイ!」


「バイバイ」


保育園なのに静かなこの建物に妹の愛らしい声が染み込んでいく。

私はこの瞬間がすごく嫌いだ




今年で6歳になる妹、翠(すい)が悲しい顔で微笑むから。

_保育園に行きたくない、でも頑張るね_

言わなくても伝わってくる翠の気持ち。



幼いながらに考えて我慢させてしまっていることが姉としてすごく申し訳なくてやるせなくて悲しい


これならまだ泣いて駄々をこねられた方が安心できるというもの。

何も言わないで笑っているからこそ心配でしょうがないのだ。