「はい、それでは早速、遠足の班を決めたいと思います。
ひと班4人です。決まったら、班長は紙を取りに来てねー」

先生の声がクラスに響く。
ウキウキしている顔、クラスに馴染めるか不安そうな顔、興味無さそうな顔、

それぞれ違った顔が新しいクラスに馴染もうと必死である。

そしてクラスの関係性が決まる一大イベント、「遠足」がこれから始まるのだ。

4月、何もかもはじめてであまりクラスのカーストですら決まっていない。
探り探りの毎日だ。

しかし、この「遠足」の1日だけで大体の関係性が決まってしまう。

遠足か、めんどくさいな。
なんでわざわざクラスの親睦を深めなきゃいけないんだ、そのうち仲良くなるだろ、

めんどくさいなと思いながら先生が配った詳細の載った紙を読んでいると、たかが遠足ぐらいで燃えている広大と目が合った。

やばい、なんか嫌な予感する...

「雄輝!!!遠足だ!!これぞチャンス!!」

うわ、めんど。

俺の机が揺れる程の迫力で机を叩く。

「いいか!チャンスなんだよ。チャンス!よく聞け、砂菜とのチャンスなんだよ!!!」

うわ、めんど。