キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~

先生は、そのまま一歩前を歩いて

芝の生えた散歩道を抜ける。

無言のままの先生。

ホテルの中庭は、ライトアップされてて

うつむく唯は、先生の影を追うばかり…

置いていかれないように、必死に付いていく。

いつもみたいに

振り向いてくれることも

歩調を合わせてくれることもない。

…………どれくらい……歩いたんだろう。

急に、心細くなって……

先生の浴衣の袖を引っ張ると……

振り向いてくれた。

………………………………。

「先生…怒ってる?……」

今日一日、壁を感じて…不安だったから

つい…口からこぼれちゃった。

「何に?」

「一緒に…いたくないって…言ったから…」

唯の顔をじぃ~っと見つめて……

小さくため息をつく。

…………そのため息は??

まだ、怒ってるの?

不安になりながら、先生を見上げると

「バレたら困るっていう、唯ちゃんの気持ちは、分かってるから…
その事には怒ってないよ。」

「だったら……」

「……………………………。
分からない?
オレ、言ったよね?コウは男だよって…
なるべく近づかないように…オレが引き留めてたのに。
隙を見せすぎ!」

「あっ…ごめんなさい…。
……でもね……もう、言ったから。
………好きな人がいるって……。」

「えっ!コウに…!!ホント??」

「うん、ホント……です。
今、飲んでる時に…。
航君のことは…海晴ちゃんと梓ちゃんが
慰めてくれるって…言ってた。
心配させて………ごめんなさい。」

「あっ…いや……。そっかぁ~。
もしかして、それで気まずくなって出てきた?」

「えっと…………。それは……ちょっと違ってて……」