キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~

途中、忙しく走り回る仲居さんに会釈して

ロビーに向かうと

大きな窓には、いつの間にか星空が映ってた。

キレイ……………。

誘われるように、外に続く扉を開けると

夏のムッとした空気が押し寄せてくる。

「先生…。」

この2日間

一緒にいないって言ったのは……唯自身。

海晴ちゃんや彩ちゃんに注意されてたのに……。

先生はいつも唯を大切にしてくれるから

いつの間にか、"先生は唯のもの"って…勝手に思ってて…

安心してた…………。

先生は、カッコいいしモテるから

好きになる子だっているって…分かっていたのに。

目の前で好きだって言う咲ちゃんを見た時

…………ヤキモチより……悲しくなった。

先生…呆れちゃうかな?

ワガママばかりの自分に、落ち込んでたら…

ポケットに入れた携帯が鳴った。

「……………はい。」

電話の相手は………先生。

「今どこ?」

「ロビーの横の扉を出たところです。」

「待ってて、今行く。」

直ぐに電話が切れて……先生が来た。