キンダーガーテン 二   ~優しい居場所に~

「ねぇ~先生。そろそろ帰ろうよぅ。
……………ホントに怖いんだもん………。」

「もうちょっと、我慢して。
帰ったらまた四人が邪魔して、二人になれないから。
次はこの間写真を撮った海に行こうか?
あそこなら、どんな水着でも大丈夫だからね。」

そう言うと

スポンって…

唯の浮き輪を抜いちゃった‼

?!…………!!!………?!…。

キャー‼

………………………………。

思わず先生にしがみついたら

ニッコリ笑ってた。

「もぅ~!先生………。
浮き輪………返してよぅ~………………。」

「ダ~メ!
オレが水着見てびっくりしたの、喜んだだろう。
意地悪する子には、お仕置きです。」

もぅ~ホントに無理だよ。

上半身裸の先生にくっつくなんて…………

スッゴく恥ずかしけど…今はそんなことを言ってられないくらい必至なの。

ギュッてしがみついたら、片手で浮き輪を持って

もう片方で唯を抱き止めてくれた。

「先生…絶対その手を離さないでね。」

ギュッとされると安心だけど……片手の浮き輪だけで

ホントに大丈夫??

「ねぇ~先生。もぅ良い子にするから……浮き輪返して。
何でも言うこときくから。」

「ホント??何でも?
う~ん。どうしようかなぁ~」

「うんうん!約束!!
何でも!!だから、ねっ!!」

必至に訴える唯の熱意が届いたのか、あっさり返してくれた。

はぁ~良かった。

それでもやっぱり怖くって

「先生…みんなのところに帰ろうよぅ。」って言ったら

帰ってくれ始めた。