「はぁ?プロポーズ!!」

「いつの間にそこまで進んでたの?」

「……ってことは…。もう、キスもエッチもしたんだぁ~」

「唯ちゃん、隠し事はダメだよ!」

「ねっ!ねっ!いつ?何処で?」

唯が質問したはずなのに…いつの間にか質問攻め。

「キスもエッチもしていません!
……それより…結婚前提って…どんなこと??」

「まぁまぁ、それを答える為にも…
何故プロポーズに至ったのか、話しなさい。」

「…あのね……。一昨日のデートの時に送ってもらって…」

お父さんのことをいうのは、恥ずかしいし嫌だったんだけど…

ここから話さないと理解してもらえないから…

プロポーズまでの経緯と先生の言葉を伝えたの。

ただし、抱っこしてギュッ…は、恥ずかしいから…内緒だけどね。

「はぁ~。そっかぁ~。
唯ちゃん、愛されてるねぇ~。」

「そこまで腹くくってるんだぁ~。
…………やっぱり…大人だねぇ~」

「ゴールインは、一番最後だと思ってた唯ちゃんが…
実は、一番乗りかぁ~」

「先生の奥さんかぁ~。幸せになるんだよ。」

「でも、唯ちゃんが先生のものって…ちょっと悔しい!」

「あぁ~あ。唯ちゃんっていうオモチャが無くなる~」

めいめい勝手なことを言う四人に

「ちょっ……違うよぅ~。
あの!だから…ねっ。あの…別に結婚するって…いう話しではなくって…
ねっ。いつかしようっていう…約束??……みたいな。
それで、あの…普通のお付き合いと結婚前提っていうのは……
どういう違いがあるのか分からなくて…
先生に、今更聞けないっていうか……」

「あぁ~はいはい。
つまり、婚約したってことだよ!先生はフィアンセ!!」

「えっ‼婚約なんてしてないよ‼
家族だって…先生とお付き合いしてること…知らないもん。」

「でも、二人の間ではそうでしょう?
いつかは結婚しますって…約束したんだよ。
先生は、唯ちゃんのこと…フィアンセって思ってるよ。」

「そうなの?」

「うん!因みに、エッチもしましょうってことだよ!
唯ちゃんどうする~」って意地悪く笑う海晴ちゃん。

えっ‼ホント⁉

…………先生って…フィアンセになるの?

おまけに……エッチもしましょうって…

…………ホント??……

ビックリして見つめる唯を、うんうんって頷く海晴ちゃん。

「そりゃあ、そうだよぅ~
先生の下心見え見え。」って夏苗ちゃんまで加勢してるし…

「まぁ~今時、結婚前提でなくても…しちゃうけどね!」って

梓ちゃんまで笑ってて…

えっ!……ええっ‼………。

焦ってたら

「もぅ~!からかわないの。
三人とも、先生に唯ちゃんを取られそうだからイジワルしてるんだよ。
心配しなくても大丈夫!
先生はそんなつもりじゃあないから、安心して。
……さっきの質問だけどね。
唯ちゃんと付き合う時から真剣で、結婚も頭にあったはずだけど
今回あえて"結婚前提"って言ったのは
"オレにとって最後の恋だよ。ずっと一緒にいるよ"って
唯ちゃんに伝えたかったんだと思うよ。
一昨日直ぐに伝わらなくても…
唯ちゃんのことだから…四人に話すだろうって想像出来たはずだし。
多分、いずれこんな答えが出るって思っただろうから。」

「うわぁ‼遠回り。」

「でも、それくらい想像出来なかったら唯ちゃんと付き合えないよね。
こんなに鈍いんだもん。」

うっ………ひどい…………

「先生らしいねっ。
直接言っても、唯ちゃんの心に届き難いけど…
四人に言われると納得いくしね。」

「大事にしてるよね。」

……先生…ずっと一緒にいてくれるつもりなの?

結婚って…まだピンとこないけど…。

最後の恋っていうのは…唯にも分かる。

それは……唯も同じ気持ちだから。

「最後の恋かぁ~。……唯ちゃん、いいなぁ~」

「私も、今の彼と…そうなるかなぁ?」

「そこまで考えてくれるのって…先生が大人だからかなぁ?」

さっきまであんなにからかってたのが、ウソみたいに

それぞれの恋の行方を、思い描いてる。

「先生が大人っていうより…
それだけ唯ちゃんのことを大切に思ってるんだろうね。」

「純愛だねぇ~」

「広くて…深い愛情。…唯ちゃんがうらやましい。」

はぁ~っ

長いため息と一緒に見つめる四人。

冷やかしとは違う、素直な言葉は…くすぐったい。

もしかしたら…一昨日言われた時よりも

もっと、先生の愛情を感じてるかも。

……………先生、何してるかなぁ?…………

昨日も二人でデートして…ずっと一緒にいたのに…

四人の言葉を聞いたら……先生が恋しくなっちゃった。