どれくらいこうしてたのかな?

「唯ちゃん。」

いつもよりも小さな声が…直ぐ後ろから聞こえて来た。

…………………………………………。

「唯ちゃん…………。
…………………………オレと…結婚しない?………………」

………………………。

えっ?……………結……婚………?……………………⁉

結婚!!

びっくりして涙も止まっちゃった。

………結婚って………………。………………結婚??

振り向こうとした唯を、ギュッと力を入れて抱きしめる。

「ごめん。………このまま聞いて。」

………………………………。

動かない唯を、了承ととったのか…………。

それでもまだ、腕の力は緩まないまま。

「これは…今、思いつきで言ったんじゃないからね。
……もちろん、きっかけは…さっきのことで……。今いう予定は…なかったけど。
今日うちで過ごしてる時も、これが毎日ならなぁって思ったし
いつかは結婚したいって思って付き合ってるから…。
さっき、兄貴がノロケてるって言ったでしょ?
ノロケてるつもりはないけど…
家族に"結婚したい"って…話してあるんだ。
だから今日、唯ちゃんを見たくなったみたいで…
オレの中では、ずっと先がある恋愛なんだ。
結婚って言葉は…思いつきじゃないから、誤解しないでね。
オレね…
一人で不安そうに、家族の帰りを待ってる唯ちゃんを見るのが…嫌なんだ。
嫌って言うか…辛いって言うか…
オレなら、毎日"ただいま"って帰るのに…
安心をあげられるのにって思うと…悔しくて…。
一人でご飯を食べさせるのも…怖がりながら寝させるのも…
…………全部…オレが辛い……。
付き合って半年でプロポーズって…
早いし…びっくりさせたけど…
真剣だから。
ホントは、このまま籍を入れたいくらい…一人にしたくないよ。
今のままだと…このまま一緒に帰れないし…。
一人置いて帰るのは…すっごく不安。
ねぇ~唯ちゃん。オレじゃあ…ダメ?幸せにしたいんだけど…。」