「う~ん……。……むにゃむにゃ……。」

「おはよう~。起きなさぁ~い。………。
朝ですよ~。…唯ちゃ~ん……………。」

ごつごつ………。

いつもの柔らかい枕の手触りがない……。

………??………?…………

頭の横で、手を動かしていたら………チュッ。

リップ音にびっくりして、目を開けると

オデコにキスする先生と目があった。

「おはよう!唯ちゃん。」

「おはよう…………ございます…………。」

どうやら、先生の膝枕で寝てたらしい。

流石に、先生と一緒に目覚める朝が……3日目ともなると

すんなり受け入れられるみたい。

「昨日はお疲れ様。もうちょっと、このままでいようねっ!」

「先生……重くない??」

「全然!むしろもうちょっと、太った方が良いよ。
食べないから、痩せすぎで心配。」

頭をナデナデ……気持ちいい。

先生の大きな手……大好き。

「昨日の夜は唯が頭を撫でてあげてたのになぁ~」

「そっかぁ。そっちも魅力的だったんだぁ~
意識のあるうちにやって欲しかったなぁ。ざ~んねん。」

クスクス笑う唯は…まだちょっと眠いかも。

「お土産……何が良いかなぁ?
お母さんの好きなものって、なぁ~に?」

「う~………ん。……………??…………」

「えっ?お母さんの好きなもの知らないの?お母さんだよ??
お饅頭とかクッキーとかゼリーとか……。
せめて、和菓子か洋菓子か………」

「う~………ん。…………」

「ええっ!ホントに??」

思わず起き上がろうとしたら、頭を擦る手に力を入れて

「もうちょっとこのままで。」って

甘いなぁ~先生。

でも……気持ちいい。

ネコみたいに足にすり寄ったら、クスッて笑って

「男なんてそんなもんじゃない??
『うちのママの好きなものは…』って並べ立てられる方が引くでしょう!
オレなんて、誕生日の贈り物すらしたことないし。」

「えっ?でも…先生が言ったよね?
初めてのボーナスの時『ご両親に何か少しでも、贈り物をしなさい』って…」

「あぁ~あれね!
あれは…唯ちゃんと会話するためと、オレの印象を良くするため!
"先生って凄い"って…思わなかった?」

「…………思ったかも…………。」

「年を取ると、色々とズルくなるんだよ!特に、好きな子には。」

もう~信じてたのにぃ………

でも…好きな子って…。

あの頃から、唯のこと意識してくれてたのかなぁ?

恥ずかしい。

ジワジワ熱くなる頬。………きっと、赤いよね??