コンコン
控えめなノックの後に、見慣れた先生。
会いたくないけど、今私の弱みを握ってる唯一の人。
「どうかな、、、
まだ、熱は高いね。
呼吸は楽になったかな?
胸の音聴かせてね
身体楽にしてていいからね。」
モニター見たり脈を取ったりした後、
私の返事も待たずに胸の音を聴きだした。
「うん、深呼吸しようか。
そう、おっきくスーハーしよう。
苦しかったら、無理しないでいいからね。」
もともと他人とコミュニケーションを取るのが苦手なわたし。
それに加えて、自分の身体や心に触れる人に対して緊張しないわけがない。
無意識に、身体にグッと力が入り、息も詰めてたみたい。
聴診中、何度か
身体楽にして、おっきく深呼吸〜
って言われて、なかなか終わらない診察に疲れてしまった。
「まだ熱は下がらないけど、呼吸は大分楽そうだね。
みゆちゃんのことも、今夜はうちの母親が面倒見るから安心して下さい。
今日は、とりあえず一晩入院です」
なんて?
「入院、、?」
自分でもビックリするくらい、声が震えてる。
「そうですね。
一時的にお薬で症状を抑えてますが、あまりいい状態とは言えませんね。
今晩、またお家に帰って、発作が起きても困るでしょう?」