ーーキーンコーンカーンコーン


「はぁ〜終わった〜。」


私は、佐藤美紅。国語が好きな普通の中学2年生です。


「ほんと。あの先生延長するもんね。長いったらありゃしない。」


この子は私の親友。松坂由美っていって明るい子なの!


「美紅!それよりさ、隣のクラスの“あの人”かっこいいと思わない⁈」


急だね、由美…(苦笑)ていうか、
「あの人って?」隣のクラスで有名な人なんていたっけ?


「え〜⁈美紅、知らないの⁉︎」
え〜⁈って言われても…


「し、知らない。」


私は少し言いにくかった。だってテンションが高いんだもん。


「もー美紅って男子のこと全く興味ないよね。」


いや、そんなことはないと思うけど。
「で、その隣のクラスの人の名前はなんて言うの?」


何でか少しワクワクする。


「それがね、私もよく知らないんだけど…」 ガクッ。知らないんかい。


「確か、えーと宮田くん。だったかな?」 宮田くん?そんな子いたっけ。


「あっ!そうそう、宮野くんだ!」


宮野くん…?なら、どっかで聞いたことあるような、無いような…と考えているその時だった。


「キャー!宮野くんよー!」


女子達が一気に騒ぎ出した。


ん…?待てよ、“宮野くん”?………
あっ!思い出した。もしかして“あの”宮野くん⁈


その時、「美紅。うちらも行くよ!」
えっ?行くって…あそこに⁈私って行く必要あるの?まぁいいや。


「うん」 とりあえず返事をした。


宮野くんといえば、頭が良くてスポーツ万能、その上顔がいけてる。その名も、イケメンってやつ?


由美。その人をかっこいいと思って当然だよ。とは言っても、私まだ、顔もいたことないんだよね。どんな顔なんだろ。少し楽しみになってきたかも。


騒ぎ立てる女子達を通り抜け、やっとのことで宮野くんの近くまで来た。
「ふぅ〜」 なんか疲れた(汗)


そして顔を上げた。その瞬間、宮野くんらしき人物と目があったような気がした。そして微笑んだ。私の訳、ないよね。と思っていたら、


「キャー!今目があったわー!」
「いいえ、私よ」 「私よ!」
あら、これが男子の奪い合い。


なんて考えながら、もう一度微笑んだ顔を思い浮かべた。浮かべただけで、少し“ドキッ”とした。ん?ドキッ?


「あ〜。ほんとかっこいい。恋しちゃいそう!」 恋?


この時は、この気持ちがはじまりの恋とは、思ってもみなかった。