「くそっ!なぜなんだ!」


そう言いながら彼は歩いた。

結局、彼の意見は通らず、そのまま今日の仕事は終わってしまった。


ここ数年。
警察に勤めてからずっとこうだ。

証拠が有るのに捕まえられない。


被害は広がる一方。


何で目撃情報にこだわる、証拠があれだけそろっているんだ。

「よし。」

彼は立ち上がった。

ポケットから手帳を取り出して捲る。

あるページを確認すると、足早に歩き出した。