中峰遥人。
彼は私の幼馴染だった。
家が隣同士という事もあり、家族ぐるみの付き合いだった。
小さい頃からずっと一緒だった。

高校1年生の秋。

私が学校から帰るとリビングに珍しく、パパもママもいた。
ママが私にソファに座るよう促してくる…。どうしたのだろうと思ったが言われるがままに座った。
そして真っ赤なママの目を見た時、嫌な予感がした。

そしてこの予感は的中してしまう。

パパが無言で運転する車に乗った。
到着すると私は走った。
何回も通った廊下をただひたすら走って、走って、走った。着いたのは見慣れた病室。
私は今までの勢いを忘れたかのように、一気に冷静さを取り戻した。