あの夏の日、君を想う

その日は、真夏日でとても暑い日だった。
私と紗南は、先輩たちの指示でスポーツドリンクを作っていた。
「和彩、ちょっとトイレ行ってきてもいい?」
「いいよ。こっちはやっとくから、行っておいで」
「ありがとう。すぐ戻るから」
そう言って、紗南は部室から出ていった。私は紗南が作り途中だったスポーツドリンクを完成させて、部室を出た。
「先輩!出来ました!」
「ありがとう。そこに置いてから、パス練していいよ」
先輩に言われた通りにスポーツドリンクを置いて、練習に入った。
同じく1年の未来と一緒にしばらくパス練をしていたけれど、紗南が帰ってきていないことに気が付いた。もう、30分は経ってるよな……。それに気が付いたら、もう練習に身が入らなかった。
「和彩!やる気あるの?さっきから落としてばっかりだけど」
遂には先輩に怒られてしまった。
「すみません……。でも、紗南がトイレに行ってから、結構な時間経ってるんです。それが心配で……」
「分かった。トイレ見ておいで」
「ありがとうございます!」
先輩に許可を貰った私は、トイレへ駆け出した。体育館横のトイレにも、1年生用のトイレにもいなかった。どこのトイレを探しても、紗南はいなかった。だから、私はダメ元で体育館下の小さいトイレへ行った。
「紗南!いる?」
中にあるベンチに、紗南は座っていた。ほっと安心したのも束の間、大変な事に気が付いた。