あの夏の日、君を想う

「ねぇ、紗南。部活の事なんだけど」
「ん?なーに?」
紗南がくりくりの目で私を見るから、一瞬躊躇ってしまった。でも、ちゃんと話さなきゃ。
「あのさ。私ね、バレー部に入りたかったんだ。でも、紗南が部活にできるようになったことが嬉しくて、一緒に手芸部に入った。手芸部の活動は楽しかったけど、やっぱり思っちゃうんだ。バレーボールがしたいなって」
私は紗南の顔色を伺った。でも、そんなに怒ってはいなかった。
「やればいいじゃん。バレー部」
え?
「入りたかったんでしょ?別に私の事気にする必要無いよ。バレー部はマネージャーもあるでしょ?私は雑用やる。一緒に入ろうよ。私は運動出来ないから迷惑かけるかもしれないけど、和彩が楽しいならそれでいい。和彩は私の家族だから」
その言葉を聞いて、目が潤んだ。
ごめんね、紗南。紗南に気を遣わせるつもりなんてないのに……。
「ありがとう。入るよ、バレー部」


それからの日々は楽しかった。毎日部活して、紗南とお出かけして。時々小テストで2人して落ち込んで……。楽しくない日なんてなかった。
でも、突然その日は訪れた。何の音沙汰もなく。