千草が教室を出ていってから約数分、俺は集められるだけの人数を教室へ呼び戻していた。

『"シホ"のメンバーの1人が、3年の馬鹿に手出されてウザいらしいんだよね。ソイツに少し、挨拶してきてよ。』

基本俺達の学年は放任主義。
通常なら、頭によってその学年のルールが決まっているのだが、俺達の頭はそんなことに興味がない。と言うか、「好きで頭になんかなったわけじゃねえから。」と耳にタコができるほど聞かされたそれは、下の奴等にも伝わっているようで、千草の力は認めていても何か事を起こすまでは基本、各々が好きなことを好きなときにする。と言うスタンスが定着していた。

それに関して千草も俺もとやかく言うつもりもないし、勝手にすれば。といつも突き放しているのだが、千草は口では「好きにしろ。」何て言うくせに、結局はいじめや差別を許さずにあとで報復に向かっていた。

それに助けられた奴や、千草の本質に惚れ込んだやつ、そんな奴等で固められた千草の周りは、ある意味無敵だと思う。

(ま、そうじゃない奴もいるから統率がとれなくて困るんだけどな。)

「大体集まったぜ、花房。」

「早すぎじゃない?まあいいけど。」

「早く終わらせて、お前は千草の所に行ってやれ。」

「…大丈夫でしょ、アイツなら。」

「顔に心配してます。って書いてるんだよ。気になるなら行ってこい。ちゃんとその3年には俺たちが挨拶に行っとくからさ。」

「お前ら…。」

「俺らの頭、宜しくな。」