それにしても、さっきの胸の痛みは何だったんだろう。
私は、翔のことはただの友達と思っている。
あの日の電話から、もう一週間がたったが、ほぼ毎日のように電話をしていた。
でも、それは美咲には言ってない。
というか、言えない。
美咲が翔のことを好きになりかけてると分かった以上、二人の恋の邪魔をしちゃいけない。
これは、ある日の電話の事だった。
「あのさ、思ったんだけどー」
「ん?」
「翔には、美咲っていう好きな人がいるわけじゃん?」
「ん、まあな」
「なのに、私なんかと電話してて良いのー?」
「えー、でも電話は楽しいからやめたくないよ?
ばれなきゃいいから、続けようね?」
…だめだこの人天然なのか。それも無自覚に私を落としにかかってる。
「っっとにかく!もうちょっと電話減らそうね!!」
言ってる方の私も、「やめる」ではなく「減らす」になってしまった。
だめだ。危ない。