部活が終わり、家に帰った莉夏は、少し緊張
した様子で受話器を握っていた。
「いくら友達だからって、男子にかけるのはちょっと緊張するなあ…」
そう思いながらも、思い切って電話をかけた。
プルルル……ガチャ
「はい、高村です」
出たのは翔のお母さんだった。
「あっもしもし、桜庭高校吹奏楽部3年の一ノ瀬です。翔君いますか?」
「はい、お待ちください~」
まさか、お母さんが出るなんて思ってもいなかった。
そんなことを考えさらにドキドキしていると、翔が出た。
「もしもし?」
「あっ翔、ごめんねいきなり相談なんて」
「全然いいよ。それでどうしたの?」
「実は…」
後輩の態度があまりよくないこと、またそれを他の3年からも言われていることを相談した。翔とは同じパートとしてたくさん相談をしていた。