たて続けに入る予約患者にさすがに私もスタッフも疲労困憊気味。
僅かな休憩時間に近くのマッサージで凝りをほぐそうと外に出た瞬間、「槙田先生〜!」と呼び止められた。
「あっ…!」
すっかり忘れてた……
えっと……えっと……
「ご無沙汰してます、月島です」
そう!月島ユイちゃん!
女性誌で連載開始するんだった。
重そうなカバンを肩から下げて小走りでやって来た。
ウルウルの瞳はまだ健在していて笑顔も輝いている。
「あの〜、そろそろスケジュールをお聞きしても宜しいでしょうか?」と恐る恐る聞いてきた。
「ですよね……」
仕方なくそのまま踵を返す。
中に戻ってスケジュール管理しているパソコンを確認しようと見てみるけど予定ぎっしりで泣けてくる。
わざわざ来てくれたのに予定空かないですじゃ申し訳ない。
「お忙しいのは重々承知していますので、ほんの少しのお時間で構いません、先生に合わせます」
そのお気遣い、逆にプレッシャーです……
どうしよう………
本気でめどが立たない………
うーん、うーん………

