【続】0.0000034%の奇跡




「あ〜心配してるぅ〜槙田先生可愛い」



人差し指で頬をツンツンされる。
悔しいけど言い返せない。
本当に智くんの事になるとダメだ私……




「疲れた〜」と帰って来ては抱き寄せられる。
智くんの温もりを感じる事が一番の薬だ。
不安なんて一瞬で吹き飛んでいく。
「おかえり」と言える幸せ。




上着を脱ぐ前にキスされて壁に背がくっつく。
一緒に居るとやっぱり似てくるのか、智くんも特に疲れた日は真っ先に私を求めてくれる。
息をするのも忘れるほどとろけるキスを受け止めて腰がくだける頃……




「抱いていい?」




最近特に男の色気がハンパない智くん。
艶やかな視線で射抜かれる。
その目で見られたら動けなくなるって知ってるくせに。
わかりきった質問……私に言わせないで。



「ここで止めるとかナシ……」



クシャッと笑って「止めれないよ」と顔が近づく。
熱を帯びた体は激しく惹かれ合う。
脱ぐと逞しい体、引き締まった筋肉。
その腕に抱かれて愛しさを噛みしめる。




どこにも行かないで……
私だけを見て……
私の中だけで溺れていてほしい……



智くんだけの私で居るから………