【続】0.0000034%の奇跡




「テレビの仕事あるんなら言ってくれれば良かったのに、もっと早く会いたかったな」




「な、何であなたに言わなきゃいけないのよ」




「え〜あんな事しちゃった仲なのに〜!?」





「ちょっと…!それこそ誰かが聞いたら誤解するでしょ!あんなの何とも思ってないでしょ?それと二度としないで」




込み上がる怒りに背を向けた。
何を言っても余裕ぶって笑ってる顔が余計に腹が立って目を逸らしたの。
怒りが爆発するのを防御した形が裏目に出るだなんて……




「へぇ〜あんなの何とも思わなかったんだ?」って近くで声がしたと思ったらメイク台の壁鏡に映る彼に気付いてハッとした。




「だから近付かないでって……っ」




振り向いたらもう遅かった。




強引に重なる唇………




必死の抵抗も適わなくて軽々と抱きかかえられメイク台に乗り上げる。
叩いてもつねってもどうにもならなくて、これからの撮影に影響するだとか芸能人だからとか考える余裕すらなくなった。