「芹……遠くに行かないで?僕だけを見て」
いつしか私は言った。
「一生私の周りでジタバタしてればいい」と。
でもそれは、こんなふうに不安を与えるような事じゃない。
今にも泣き出しそうな目……
私の心に隙なんてない。
私が愛しているのは智くんだけ。
それだけはどうしても変わらない事実なの。
結婚した今でも、ずっと智くんが欲しい。
智くん以外は考えられない。
言葉じゃ溢れ出して伝えきれないから何度もキスで応えた。
くっついては離れて、徐々に深くなる。
そんなセリフ……言わせておいてズルいけど間違いなく今の私を突き動かしてる。
キスの雨を降らせたあと
「信じてもらえないなら…体でわからせてあげる」
押し倒す勢いで再びキスしようとしたら智くんも……
「僕以外にその顔したら本気で許さないよ」
そう言って押し倒されたのは私の方……
体でわからせてもらったのも私の方だ……
何度も意識を手放しそうになった……
体中に刻まれた紅い印が愛しくて…終わった後の隣で眠る横顔をしばし見つめていた。