ショートボブヘアがよく似合う年下ライターさん。
甘え上手で可愛らしいから憎めない。
気になって聞いてみたらやっぱり末っ子だった。




「次もお願いします…!槙田先生が載ると売り上げ伸びるんですよ」




「いや、それはないでしょう」




「本当です…!表紙に槙田芹って表記されるだけで右肩上がりなんです!だから是非とも専属で連載していただけませんか?」




大人しそうに見えてグイグイ懐に入ってくる彼女にもはやあっぱれだ…
きっと今の私の笑顔は引きつっている。



「原稿期限は設けません!先生のご都合に合わせます!不定期で構わないので取材は続けさせてください」



あまりの迫力に瞬きが早くなる。



え…?
もしかして私、今熱烈に口説かれてる?
顔が近い……!?
急にどうしちゃったの、この子。



「本当はもっと色んな方向から取材していきたいですけど…ううん、それは我慢します。先生が熱く語る歯科医学、私もより多くの世代に伝わるよう頑張りますから一緒に世に発信していきましょう!」




力いっぱい握られた両手。
ライターという仕事が凄く好きなんだって事がわかった。