【続】0.0000034%の奇跡




目を逸らす智くんはどこか怪しくこっちも気になって仕方ない。
首を振り「大丈夫だから」と行こうとするから手を引っ張る。
ソファーで向かい合わせになり座る智くんと膝で立つ私は見下ろす形に。



本当は知ってる。



智くんのこの表情。



だけど意地悪したくなる私はこのくだりがめちゃくちゃ好きだ。




見上げるその瞳が何を言ってるのか本当は手に取るようにわかってるの。
ちゃんと背中を押しておきながらご褒美をねだるクセ……嫌いじゃない。
むしろ可愛い。



私からのキス。
2回………3回…………
見つめ合って、またキス。



「我慢しようと思ったのに」って強がっちゃって。
自分から仕掛けてきたくせに。
ギュッと抱きしめて充電。



「我慢しないで」



私だって今、してほしかったんだから……バカ。
サイドの髪を耳にかける仕草。
押し倒されるのも想定内で、そうなれば私ももう逃さない。
溺れる覚悟で甘く誘う。



「いいの…?読むの後になっても」



「…………今欲しくなったらダメ?」



「むしろ、大歓迎です」



落ち着いたらちゃんと読むからね?ユイちゃん。
今だけはごめんね……
今だけは重なる体温が心地良いの……