【続】0.0000034%の奇跡




出来上がった動画を3人でチェックする。



久しぶりにソファーに座り正面からのアングル撮り。
本気モードで弾き語る時はメガネ女子な私です。
相変わらずルーティーンを決めたら即歌い出し。



「タイトル決まったらアップするね」と隣で智くんは言った。



やっぱりそうくるよね……




「もう決まってるよ?」




「えっ?なになに!?」




案の定食い気味な智くん。
思いきり見開いた瞳が可笑しくて、笑いを堪えるのに一苦労。
早く言ってよ〜!てな顔してる。
だから自信たっぷりに言ってあげよ。



「大好きだよ智くん私だけを見ていなさい」



膝の上に座り顎を持ち上げる。
唖然とした顔は見る見るうちに紅く染まっていく。
急に目線をずらして少し困った様子。



「ちょっとそれ…恥ずかしいよ…」



わかってる、有り得ないくらいダサいタイトル。
本気じゃないことくらいわかるでしょ?
クスクス笑う私を見てやっぱりテンパってる。



「え?冗談?どっち??」ってもしかして本気で受け取った?
半信半疑で覗き込む智くんにハマった私はなかなか笑いの渦から抜け出せない。
腰が……腰がダルい。
笑い涙を拭ってはまた吹き出す。