時刻はちょうど夕方5時を少し過ぎたところ。
私は1時間ちょっと、寝ていたらしい。瞳はと言うと、まだ寝ている。
いや、さすがに寝すぎじゃない?
まぁいいんだけどさ…。寝ると治るし。
ふと脇に置いてある机を見ると置き手紙が見えた。
晴ちゃん、おはよう。
5時15分ぐらいに病室に行きます。それから吸入しよう。
Kotomi E.
あらま、もうすぐじゃない。
瞳なんてまだ起きてもないのに…。起こしといた方がいいのかな?
うーん…。
悩んだ結果、起こしてみることにした。
「瞳ー!」
やっぱりね。ダメですね。起きませんね。
「瞳、寝すぎだよー。起きてー。おーい!」
しばらく揺さぶってみた。
「ん…。」
瞳が身動ぎをする。
チャンスだ!
「起きてー!!」
「ん、晴?声でかいよ…。」
「知ってるよ。」
「んー。」
「起きて。」
「何…?」
「いや、お昼食べて寝てから結構時間たってるよ、もう5時。」
「嘘だ…。」
「本当。それに、もうすぐ琴美先生が迎えに来るよ。」
「どこ行くの?」
「ちょっと早めの吸入。」
「え…。」
「瞳が寝ている間に、寝すぎで心配って言って診察してたよ。それで、早めに吸入しようって。ほら、ここに琴美先生からの手紙置いてある。」
私と同じ内容の手紙が瞳の近くの机にも置いてあった。
「ほんとだ…。」
「ね?だからそろそろ起きて。もう琴美先生来るよ。」
「わかったー。」
瞳が欠伸をして体を起こしたところで琴美先生が入ってきた。
「お!起きてるねーgirls!」
「はい。」
「今起こされました。」
「…あはは、起こされたのね。」
琴美先生、相変わらず苦笑い。そりゃあそうか…。
「よし、じゃあ行きましょうか。」
「はーい。」
「はい…。ふぁ…。」
「まだ眠たそうだね?」
「眠たいです…。」
「まあ、処置室までがんばろっか?」
「はい…。」
なんとか瞳を引っ張りながらネブライザーの機械がある処置室まで琴美先生と3人で歩いていった。



